欧州4カ国がシンガポールとパスポート・パワーのトップを分け合う

欧州4カ国がシンガポールとパスポート・パワーのトップを分け合う

欧州の4カ国が、世界194都市へのビザなし渡航を可能にする最強のパスポートの首位に躍り出た。

フランスドイツイタリアスペインは現在、シンガポールと並んでヘンリー・パスポート・インデックスの第1位の座を共同保持している。

最新の指標は、227の旅行先へのビザなしアクセスに基づいて、世界の199のパスポートをランク付けしている。

ヨーロッパが指数の上位を独占

残りのトップ10もヨーロッパ諸国が独占している。

フィンランドと スウェーデンが 韓国と2位を分け合い、オーストリア、デンマーク、アイルランド、オランダが3位にランクインしている。

さらに順位を下げると、ヨーロッパ諸国が引き続き好調だ。

キプロスと リヒテンシュタインは12位、ブルガリアクロアチアルーマニアは13位である。

ビザなし渡航先の数がランキングを牽引

Henley Passport Indexは、パスポート保持者が事前にビザを必要とせずにアクセスできる目的地ごとに1ポイントを与える。

これには、到着時にビザを取得できる場所も含まれる。

ビザなし渡航先が多い国は、ランキングで上位に入る。

フランス、ドイツ、イタリア、スペインの1位は、194のビザなし渡航先へのアクセスを認めている。

対照的に、アフガニスタンは28カ国へのビザなし渡航が可能で、依然として最下位である。

シリア、イラク、パキスタン、イエメンも199のパスポートの中で最下位に位置している。

毎月更新される最新情報

ヘンリー・アンド・パートナーズは、グローバル・モビリティとパスポート・パワーの最新動向を反映させるため、これまで4ヶ月ごとに更新してきたパスポート・インデックスを、今後は毎月更新する予定である。

更新頻度の向上は、ビザ規則や各国へのアクセスが変化し続ける中、各国政府や世界市民により定期的な洞察を提供することを目的としている。

欧州、世界的につながりのある地域としての地位を固める

欧州のパスポートの好調な結果は、この地域が世界的につながりのある渡航先としての地位を確固たるものにしている。

欧州連合(EU)は加盟国間の自由な移動を保証しているが、同時に外的要因も欧州へのアクセスを強化している。

過去3年間のパンデミックによる渡航制限は、パスポートの効力に大きな影響を与えた。

それが緩和されたことで、欧州やその他の高ランクのパスポートの価値が高まった。

また、世界市民がビザなし渡航の恩恵を受ける機会も増えた。

ETIASの発足が旅行者の扉を開く

欧州パスポートの強化は、2025年5月の欧州渡航情報・認証システム(ETIAS)の開始を控えてのことである。

ETIASは、60カ国以上の旅行者が27カ国のシェンゲン協定加盟国に入国する前に電子認証を受けることを義務付ける。

ETIASが開始されれば、EUの安全保障と国境管理が強化されると期待されている。

しかし、このシステムには厳格なビザは必要ない。その代わり、観光客や出張者などの短期滞在者の入国が容易になる。

欧州のパスポートが世界へのアクセスを拡大する中、ETIASは逆の方向への旅行の促進も約束している。

入国が合理化されることで、年間数百万人の旅行者が、世界とつながりのあるヨーロッパの観光地を訪れることができるようになる。

潮の満ち引きがすべてのパスポートを救う

開放的な地域という欧州の評判は、新規参入者を惹きつけるための継続的な努力にも反映されている。

EUパスポートの価値が上昇を続ける中、加盟国政府は海外からの投資家、労働者、学生を対象としたプログラムを強化している。

ドイツは2022年後半に「機会カード」を発表し、高度な技能を持つ移民に就労ビザの発給を早めた。

このプログラムは、医療やテクノロジーなどの分野における国内の労働力不足に対処することを目的としている。

スウェーデンも引き続き制限を緩和し、グローバル人材によりアクセスしやすい就労・就学の道を提供している。

欧州のパスポートが強化され、2024年以降もこの地域の新規参入者に対する開放性は拡大しそうだ。

観光客から長期移住者に至るまで、世界有数の経済大国である欧州への扉はさらに開かれつつあるようだ。

グローバルアクセスへの道は開き続ける

最新のHenley Passport Indexによれば、グローバル・モビリティはパンデミック後の回復を続けている。

上位にランクインしているヨーロッパのパスポートは、各国が再開するにつれて、ビザなし渡航へのアクセスが拡大している。

現在、この指数は毎月更新されており、上位にランクされたパスポートの保有者は、新たなチャンスをリアルタイムで追跡することができる。

COVID-19パンデミックからの脱却に向けた世界の動きに伴い、ビザのルールは依然として流動的である。

指数下位のパスポート保有者にとっては、渡航制限の緩和が海外探検の新たなチャンスをもたらしている。

世界的な接続性が徐々に回復していることから、国際的なモビリティは2024年を通じて上昇傾向を維持しそうだ。