ルーマニアのシェンゲン協定加盟に伴い、オーストリア人警官がブカレスト空港で国境検査を支援

ルーマニアのシェンゲン協定加盟に伴い、オーストリア人警官がブカレスト空港で国境検査を支援

ルーマニアが3月31日にシェンゲン圏に加盟するのを受けて、オーストリアは ブカレストの国際空港で地元当局を支援するため、専門の書類認証担当官を派遣する。

この協力は、国境のないシェンゲン圏に入国する旅行者のセキュリティ対策を強化し、IDチェックを合理化することを目的としている。

セキュリティ強化と専門家による支援

ルーマニアのカタリン・プレドイウ内務大臣によると、不正書類の特定に精通したオーストリアの警官が、ルーマニアの国境警察を指導し、旅券の有効性を確認する。

さらに、欧州の国境機関であるFrontexは、ルーマニアとブルガリアの国境沿いの警備を強化するため、2,000人の警官を配備する。

プレドイウ大臣は、ルーマニアのシェンゲン統合プロセスが段階的であることを強調する一方で、オーストリアの段階的な加盟に言及し、この段階的加盟の経験は特別なものではないと強調した。

完全統合に向けて進行中の交渉

11年ぶりにブルガリアとルーマニアは12月30日にシェンゲン協定に加盟した。

2024年には、ブカレスト、ソフィア、ウィーン、ブリュッセルの間で、陸上国境管理の完全撤廃に焦点を当てた更なる協議が行われる予定だが、目標スケジュールは確認されていない。

新たな国境規則が旅行者と移民に影響

段階的なシェンゲン統合により、ルーマニアに入国する旅行者や移民に影響を与える新たなパスポートとセキュリティチェックが導入される。

2025年に開始される欧州渡航情報・認証システム(ETIAS)では、ビザ免除の渡航者に渡航前の認証が義務付けられ、審査のレイヤーが追加される。

国境管理の強化は、ルーマニアに長期滞在する家族、学生、デジタル・ノマドにとって、より厳しい審査と長い待ち時間を意味する可能性がある。

しかし、当局者は、強化されたセキュリティ対策により、最終的にはより迅速な本人確認と、承認された旅行者の入国が可能になると主張している。

EUの移民政策アプローチへの影響

ルーマニアとオーストリアの協力関係は、安全保障と認可された渡航の促進を両立させるというEUの移民政策の狙いを示すものでもある。

新たなETIASシステムとフロンテックス職員の配備によって不法入国が制限される一方で、EU市民は引き続きビザなしでシェンゲン協定加盟国に入国できる恩恵を受けることになる。

新規加盟国の統合を段階的に進めることで、EU全体における安全保障と許可された移動の統一的なバランスへの移行が可能になる。

ブルガリアとルーマニアがシェンゲン協定への完全統合を達成すれば、EU域内の入国管理政策の調和とボーダーレス化に向けた新たな一里塚となる。

シームレスな旅行への次のステップ

ルーマニアは、国境のないシェンゲン圏への完全加盟に向けた交渉にまだ直面しているが、文書認証の専門家と強化されたセキュリティ担当官の配備は、統合に向けた前進を示している。

関係者は、このような段階的な加盟アプローチは新規加盟国にとって珍しいことではないと強調する。

ブカレストの空港での追加支援は、ルーマニアとオーストリアがセキュリティと本人確認措置の強化で協力する中で、旅行者のスムーズな移行を目指すものである。

シェンゲン圏内をシームレスに通過するというルーマニアの目標を達成するため、残りの陸路での国境検問を撤廃するスケジュールは、今後の協議で決定される。