リスボン、9月からの観光税倍増を承認

リスボン、9月からの観光税倍増を承認

9月1日より、ポルトガルの活気ある首都リスボンを訪れる観光客は、市の観光税が大幅に引き上げられる。

リスボン市議会で承認されたこの決定は、観光がリスボンに与える影響の増大に対処することを目的としている。

リスボンの魅力のコスト上昇

この新税は、陸からの観光客に限ったものではない。クルーズ船の乗客も、1人あたり1ユーロから2ユーロへと料金が倍増する。

ただし、この変更は、クルーズ船規則の改正が正式に発表された後に発効する。

リスボン市長のカルロス・モエダス氏は、この値上げの理由を次のように説明した:「観光の外部性に対処し、リスボン市民の生活の質を回復させなければならない。

この発言は、観光が地元のインフラや日常生活に与える負担に対する懸念の高まりを反映している。

政治的反応はさまざま

この増税は、リスボンの政治家たちの間で様々な反応を巻き起こしている。

社会党(PS)は増税を支持し、「社会的バランス、持続可能性、住宅へのアクセス保証を促進する統合戦略」の必要性を強調している。

対照的に、チェガ党は強い反対を表明し、この値上げを「不合理」だとし、市の経済、特に地元の宿泊施設に投資している経済に打撃を与えかねないと警告した。

リベラル・イニシアティブ(IL)はより慎重な姿勢を示し、投票を棄権した。彼らは、税収がどのように配分され、どのように使われるのか、透明性が欠けていることへの懸念を強調した。

A woman walking near the brown concrete building

(画像提供:Elsa silva via Pexels)

税金はどこに使われるのか?

主要な論点は、観光税から徴収された資金の使途である。

ポルトガル共産党(PCP)は、2016年の税導入以来、観光がリスボンに与える悪影響を効果的に緩和できていないと指摘し、市の実績を批判した。

PSは、増収分の使い道について明確な計画を求めている。都市衛生の強化、公共交通機関の改善、地元の宿泊施設やナイトライフ施設の検査強化などを提案している。

観光客と移民への影響

短期滞在者にとっては、税金の倍増は宿泊費の顕著な増加を意味する。1週間の滞在では、税金だけで1人当たり14ユーロが追加される。

長期滞在者や移住者にとっては、リスボンでの生活費がかさみ、長期滞在や移住の決断に影響を与える可能性がある。

ビザ政策や今後導入される欧州渡航情報認可システム(ETIAS)とは直接関係ないが、今回の増税は、観光管理に取り組む欧州各都市の広範な傾向を反映している。

観光客は、他の人気観光地でも同様の措置がとられることを覚悟しなければならない。

People on public square in Lisbon, Portugal

(画像提供:Giulia calabretta via Pexels)

EU観光政策の形成

リスボンの決定は、同じような観光関連の課題に直面している他のEU諸都市の先例となる可能性がある。

観光の経済的利益と住民の生活の質のバランスを取ろうとする観光地が増えるにつれ、観光客への料金の引き上げや、より厳しい規制へのシフトが見られるかもしれない。

この動きはまた、EU内で持続可能な観光への注目が高まっていることを浮き彫りにしている。各都市は、インフラ整備や観光による環境への影響を緩和するために、観光税のような財政的手段をますます利用するようになるかもしれない。

リスボンがこの重要な変化を実行に移そうとしている今、世界中が注目している。料金の引き上げは持続可能な観光につながるのか、それとも観光客の足かせになるのか。

その答えは、ヨーロッパ、そして世界における旅行の未来を形作るかもしれない。