ベネチア、オーバーツーリズム対策として新たな料金と制限を導入

ベネチア、オーバーツーリズム対策として新たな料金と制限を導入

イタリアを代表する都市ベネチアは、観光客の多さという大きな問題を抱えている。

その歴史を守り、そこに住む人々の生活をより良いものにするために、政府は観光客の数をコントロールするためのいくつかのルールを設けている。

最新のルールは2024年4月から始まり、観光客を歓迎しながらもヴェネツィアの特別さを保つことを意図している。

オーバーツーリズムに対抗するためのヴェネツィアの日帰り観光客料金

2024年4月末から、ヴェネツィアの歴史地区を訪れる人々は5ユーロの料金を支払う必要がある。

この決定は以前から行われていたもので、ベネチアがあまりに多くの観光客に対応するために、街のインフラに多大な負担をかけ、ユネスコの世界遺産に登録されることさえ危ぶまれていることへの対応策である。

観光客は、簡単なオンライン・プラットフォームを使ってこの料金を支払うことができる。

一度支払うと、QRコードか、料金を免除するバウチャーが発行される。市内の特定のポイントに入る際には、このコードかバウチャーを提示する必要がある。

物理的なゲートやバリアは設置されないが、特定の入場ポイントには係員が配置され、訪問者が料金を支払っているか、免除を受けているかをチェックする。

違反者には厳しい罰金

新システムの効果を確実にするため、ベネチアは入場料を支払わない者に厳しい罰則を導入した。

日帰り旅行者が指定されたポイントを過ぎて正しい書類を持たずに捕まった場合、入場料の最高額10ユーロに加え、50ユーロから300ユーロの罰金が科せられる可能性がある。

ルイジ・ブルグナーロ市長は、管理なしに税金を払うことを見逃すことはないと明言している。このことは、市がいかに真剣にすべての人に新しいルールを守らせようとしているかを示している。

オーバーツーリズムの影響緩和

入場料の主な目的は、混雑日の混雑を緩和し、より長く楽しい滞在を促進することである。

短時間での訪問を抑制することで、市はインフラへの負担を軽減し、住民の生活の質を向上させることを目指している。

さらにベネチアは、将来的にオーバーツーリズムに効果的に対処するため、観光客に関するより正確な情報を収集しようとしている。

減免措置とターゲットを絞った広告キャンペーン

日帰り観光客は有料だが、例外もある。宿泊する人、ヴェネツィアに住んでいる人、仕事や学校、医療上の理由でヴェネツィアに行く人は、支払う必要はない。

ベネチアでは、ブルグナーロ市長を先頭に、この新しいルールについて各国語で広告を掲載し、料金や登録手続きについて周知徹底を図っている。

オーバーツーリズムがヴェネツィアに与える永続的な影響

最近の入場料導入は、ヴェネツィアで進行中のオーバーツーリズムの問題に取り組むための一連の措置の中で、最新の取り組みである。

COVID-19が大流行する以前、この都市は、日帰り観光客を含め、毎年推定2500万人から3000万人の観光客が訪れるという大きな課題に直面していた。この数は、地元住民5万人弱をはるかに上回っていた。

その結果、必要不可欠なサービスへの負担が増大し、街の狭い道路は混雑し、住民の本土への流出が徐々に進んだ。

ヴェネツィアの遺産を保護するための追加措置

ベネチアは、文化遺産を保護するためにさらなる規則を設けた。

2024年6月より、旧市街や近隣の島々を訪れるツアーグループの人数を25人までとする。また、混乱や妨害を防ぐため、拡声器の使用も禁止している。

これは、持続可能な観光と住民の安全確保に対するヴェネツィアの献身を示している。

ヴェネツィアの魅力低下の可能性

ベネチアのユニークなアイデンティティを守るための戦いが続く中、その豊かな文化を守る方法は、将来的に欧州連合(EU)における移民のあり方に影響を与える可能性がある。

歴史地区に住む人の数が、ユネスコが危機的水準として強調している4万人を下回れば、ヴェネツィアは世界遺産の特別な地位を失うかもしれない。

そうなれば、エキサイティングな冒険を求める家族連れや、不朽の美しさに魅了された投資家など、移住を希望する人々にとって魅力的な場所ではなくなってしまう。

政策立案者は常に警戒を怠らず、街の活気と本物を維持しながら計画を調整することが肝要だ。

観光の潮流の中で遺産を守る

ベネチアは、観光客が増えすぎると街の環境や文化が損なわれるという課題に直面している。

これに対処するため、市は現在、日帰り観光客に料金を徴収している。この動きは、ベネチアが金儲けと遺産保護のバランスを取ろうとしていることを示すものであり、重要である。

この先、厳しい選択が待ち受けているとはいえ、ベネチアは文化遺産を未来に向けて保存することに真剣であることを示している。