ブルガリアの観光産業、人手不足にもかかわらず好調

ブルガリアの観光産業、人手不足にもかかわらず好調

ブルガリアの観光産業は、スタッフの雇用に問題を抱えているとはいえ、2024年初頭は好調な滑り出しを見せている。

欧州観光委員会によると、ブルガリアは2019年と比較して観光客の回復が2番目に良く、2024年の最初の3ヶ月で39%の増加となっている。

エフティム・ミロシェフ観光大臣は、5月初旬の連休に8万人近くの観光客が登録したことから、期待を寄せている。

ホテル経営者は従業員の賃金を引き上げる

ミロシェフ大臣によると、人手不足に対処するため、沿岸部のホテルオーナーは従業員の賃金を少なくとも20%引き上げている。

また、ミロシェフ大臣は外務省に対し、ブルガリア人観光客の就職希望者が多い中央アジア諸国の領事事務所に、より多くのスタッフを派遣するよう要請した。

現在、ビザの予約は数ヶ月先まで埋まっており、雇用主はこれらの労働者を待つことになる。

ブルガリアの観光産業指標は40位

世界経済フォーラムが発表した世界観光地ランキングで、ブルガリアは119カ国・地域中40位にランクされている。

これは隣国ルーマニアの43位を上回っている。

このランキングでは、観光・旅行セクターが持続可能かつ適応可能な方法で成長し、国全体の発展にも役立つ要因や政策が評価されている。

9%の付加価値税を観光に拡大

ミロシェフ氏は、7月に期限切れとなるツアーオペレーター向けの9%の付加価値税を延長しようとしていると述べた。

観光省は、現在進行中のビジネス取引に9%の付加価値税を適用し続けることができるかどうか、財務省と話し合いたいと考えている。

もし成功すれば、雇用者と観光部門に大きな利益をもたらすだろう。

組織観光の事前計画

同大臣は、観光計画はかなり前もって立てられるため、天候によってスケジュールを調整することはできないと説明した。

多くの外国人観光客は春に旅行を計画し、予約は前年から始まっている。これは、観光産業において長期的な計画がいかに重要であるかを示している。

順風満帆なEU観光客

ブルガリアの観光産業が成長していることは、欧州連合(EU)を訪れる観光客にとって朗報である。EU加盟国であるブルガリアは、EU市民をビザなしで訪問させている。

しかし、2025年半ばからは、欧州渡航情報認証システム(ETIAS)により、シェンゲン協定加盟国に入国する前に渡航者のチェックが行われ、安全性の向上が図られる予定である。

成長と移民政策のバランス

ブルガリアの観光セクターが成長するにつれ、家族連れ、投資家、デジタルノマド、学生などの長期旅行者や移民が増える可能性がある。

国境を安全かつセキュアに保ちながら、より多くの人々を受け入れるためには、国の移民政策を変える必要がある。

2025年半ばに始まる新しいETIASシステムは、シェンゲンビザを必要としない国からの旅行者の事前審査に役立つ。しかし、ブルガリア政府は観光による経済成長の促進と効果的な入国管理の維持を両立させる必要がある。

ブルガリアの観光産業の勝利と試練

ブルガリアの観光産業は2024年、人手不足を抱えながらも順調な滑り出しを見せている。政府は賃金を引き上げ、ツアーオペレーターの付加価値税9%を維持することでこれを解決しようとしている。

ブルガリアは世界の観光目的地指数で40位にランクされており、観光分野で成長を続けるには良い位置にある。