![フランスで移民法反対デモが拡大](assets/uploads/imagery/blog/raised-fist-demonstration.jpg)
1月21日、フランス全土で数万人がデモ行進を行い、エマニュエル・マクロン大統領に対し、2023年12月に可決された争点となる新移民法を承認しないよう求めた。
批評家たちは、この法律は極右に寄り添いすぎており、自由や平等といったフランスの核となる原則を裏切っていると主張した。
全国で大規模デモ
フランス内務省は、全国で約75,000人の抗議者が参加し、パリには約16,000人が集まったと推定している。
しかし、大手労働組合CGTは総参加者数を15万人と発表した。
抗議デモは、フランスの憲法評議会が法案が憲法に適合するかどうかを決定する数日前に行われた。
仏紙ル・モンドによれば、マクロン大統領自身、違憲の可能性を示唆した部分もあるという。
より厳しい規則が支持団体の反感を買う
この法案は、フランスが好ましくないと考える人々を強制送還する能力を強化することを目的としている。
また、移民が社会サービスや福祉を利用するための新たな障壁を設ける。
その他の措置は、フランスにおける家族の再統合をより困難にするものである。
例えば、移民を希望する配偶者はフランス語の能力を証明する必要がある。
また、有効な在留証明書がないことを犯罪とする2012年の規制が復活する可能性もある。さらに、一部の医療サービスは、移民ステータスに基づいて拒否される可能性がある。
世界の専門家が「不平等」な待遇に警鐘を鳴らす
国連の人種差別専門家であるアシュウィニ・KP氏は、この法案はフランスが信奉する自由、平等、友愛の原則と矛盾していると批判した。
彼女は、社会的給付の制限と手数料の引き上げが「社会から疎外されたコミュニティに最も影響を与える」と述べた。
KPは、この法律に対する抗議を呼びかける、芸術、文化、労働の各分野にわたる200人のフランスの人気者たちに加わった。
彼らの共同声明は、この法律をナショナリストのアジェンダを推進する「憎悪商人の独裁」とレッテルを貼った。
前途は依然不透明
憲法審議会の保留中の裁定は、この法律の将来に不確実性を投げかけている。
憲法評議会の審査によって、より論議を呼ぶ要素が修正されたり、削除されたりする可能性がある。
マクロン大統領は、マリーヌ・ルペン率いる極右政党「国民結集」の支持を得て先月可決されたこの法案を支持し、批判を浴びた。
2027年の選挙を控え、右傾化を非難する声もある。
英国人の長期ビザ免除
しかし、イギリス人のセカンドハウス所有者はほとんど取り締まりを免れた。
彼らは現在、余分な書類手続きなしで年間90日以上フランスに滞在することができる。
この免除は、他の外国人に対する規制強化とは対照的だ。
この免除は、ブレグジット時代にフランスの長期ビザへの合理的なアクセスを英国人に認めた取引に由来する。
新ビザ規則のEU旅行者への影響
この法律は、社会サービスや給付金の受給資格に厳しい制限を課している。
その結果、フランスを訪れたり長期滞在したりする欧州連合(EU)市民は、より多くの書類作成や医療を受けるハードルに直面する可能性がある。
この法律はまた、有効な書類がない人に対する強制送還の権限を当局に与えている。
このことは、短期間のシェンゲンビザをオーバーステイするEUの家族や労働者に不安をもたらす。
しかし、懸案となっているETIASシステムは、おそらく最大の難題を突きつけている。
2025年に開始されるこの制度は、EUの旅行者にフランスの入国許可証の事前申請と支払いを要求する。
来年以降は、週末にパリで休暇を過ごすだけでもETIASが必要になる。
取り締まりか、国境閉鎖か?
フランスのこの動きは、移民問題への反発の中、ヨーロッパ全土で強化された姿勢と呼応するものだ。
しかし、この新法は国境開放と平等待遇というEUの公約に反するという批判もある。
欧州間協力の主要な推進者であるフランスが移民に対して反感を持つことは、緊密な同盟国を疎外する危険性がある。
物議を醸す法案は、シェンゲンの理想をさらに損なう模倣法案を誘発するかもしれない。
ETIASや極右勢力が管理強化を要求する中、欧州は安全保障と開放的な社会原則のバランスという難しい問題に直面している。
フランスの現在の国内的な緊張は、そのような議論の一端を垣間見せているに過ぎない。
移民制度改革の次は?
今後数日間が、フランスにおける新しい移民規則の運命を決める極めて重要な日となるだろう。
憲法評議会の保留中の裁定によって、より極端な要素が大幅に変更されるか、あるいは打ち消される可能性がある。
しかし、マクロン大統領は違憲と判断された規制強化を完全に放棄する気配はない。
何らかの改革を可決することが2期目の優先課題であることに変わりはない。
大規模な街頭抗議行動や世界的な人権擁護論者からの非難も、マクロン政権が移民政策を進めることを阻止することはなさそうだ。
しかし、世論の反発が強まれば、法案の最終的な形では譲歩を余儀なくされるかもしれない。