ドイツ、近隣諸国との国境管理措置を12月中旬まで延長

ドイツ、近隣諸国との国境管理措置を12月中旬まで延長

ドイツは、チェコ、ポーランド、スイスとの国境検問を12月15日まで延長する計画を発表した。

継続的な必要性

連邦内務省の報道官は ベルリンで開かれた記者会見で、ナンシー・フェーザー大臣は、一時的な国境管理をさらに1ヶ月延長する必要があると考えていると述べた。

欧州委員会には、この延長について近く報告される予定である。

ドイツは今年初め、近隣3カ国との国境管理を強化した。

同省の報道官によれば、これらの規制はすでに効果が証明されており、だからこそ、これを維持することが重要なのだという。

ポーランド国境に引き続き焦点

同省は、特にポーランド国境沿いでは、必要な限り強固な対策を維持しなければならないと述べた。

ポーランドとの国境内検問は10月16日に導入された。それ以来、当局は約1,100人の不法入国を阻止している。

また、ドイツとスイスの国境で不正入国を試みる移民の数も増加している。

連邦警察のデータに よると、 2023年10月だけで合計 98,000人の移民が 不法にドイツに入国しようとして逮捕された。

密入国に対する初期の成功

国境検問の拡大が不法入国の全体的な減少につながるかどうかを判断するのはまだ時期尚早だと当局は言うが、すでに密入国者の特定には貢献している。

スイスとの国境検査が 実施されて 以来 15人の密入国者容疑者が逮捕 されている。

すべての国境で、ドイツ警察は拡大された検査の結果、230人の密入国者容疑者を逮捕している。

ヨーロッパ全体の傾向

一時的な国境取締りを実施しているのはシェンゲン協定加盟国のドイツだけではない。

オーストリア、ポーランド、チェコ、フィンランドも現在、一部の国境で検査を実施している。

例えば、オーストリアは先月、ハンガリーおよびスロベニアとの国境で、2024年5月までさらに6ヶ月間国境管理を続けると発表した。

オーストリア内務省は、この措置はテロと人身売買に対抗するためだと述べている。

同様に、チェコとポーランドは、スロバキアとの国境検問を2024年初頭まで延長した。

訪問者はどうなるのか?

国境検査の拡大により、ドイツを訪れる観光客に対する監視の目が厳しくなり、国境での遅れが生じる可能性がある。

これには、シェンゲンビザで渡航する人や 2025年5月のETIAS(欧州渡航情報・認証システム) 開始後にETIASを 取得する人も含ま れる。

家族、学生、リモートワーカー、その他の長期滞在者は、滞在の目的や期間について質問される可能性がある。

ETIASは入国審査の事前スクリーニングを容易にする一方で、国境管理の強化により、さらに複雑な層が増える可能性がある。

政策の優先順位の変化

ドイツをはじめとするEU諸国が不定期移民の受け入れに取り組むなか、安全保障上の懸念がシェンゲン圏の国境を越える移動の自由よりも優先されているようだ。

国境管理の度重なる拡大は、移民の流入を厳しく制限し、密輸ネットワークを取り締まるという、より広範な政策目的を反映している。

しかし、市民の自由やEUの結束と適切なバランスをとることは、今後の課題に直面している。

何が待ち受けているのか?

移民の流れが欧州諸国に難題をもたらし続ける中、ドイツとその近隣諸国は、当面の安全保障上の懸念に対処するため、一時的な国境検問に頼っている国のひとつである。

当局者は、密入国対策として一定の成果を上げていると述べている。

長期的には、市民的自由とのバランスを保ちながら、非正規移民を効果的に減らすことができるかどうかが注目される。