オンライン旅行予約、EUで2桁成長

オンライン旅行予約、EUで2桁成長

欧州連合(EU)では、旅行者が短期オンライン・レンタル予約に回帰する傾向が続いており、2023年第3四半期は前年比2桁の成長率を記録した。

旅行回復の中、宿泊日数が急増

Eurostatが1月10日に発表した報告書によると、第3四半期にAirbnb、Booking.com、Expediaなどのプラットフォームを通じて予約されたEUの休日の宿泊施設で宿泊した人数は3億940万泊で、2022年の同時期と比べて13.4%増加した。

7月、8月、9月はいずれも月間予約数で過去最高を記録した。

1-9月のオンライン宿泊予約数は、前年比11.8%増の5億4,600万泊を超えた。

プラットフォームでの予約は、1年以上前からパンデミック前の水準を上回っている。

1月から9月までに予約された宿泊数は、2019年の同じ期間に比べ28.9%増加した。

スペイン、クロアチア、フランスが上位を占める

第2四半期、最も人気のあったデスティネーションは、スペインのアンダルシア(710万泊)、クロアチアのヤドランスカ・フルヴァツカ(650万泊)、フランスのイル・ド・フランス(580万泊)だった。

上位20地域のうち、スペインが7地域を占め、各国をリードした。

フランスと イタリアがそれぞれ5地域で続き、ポルトガルと クロアチアはそれぞれ2地域と1地域だった。

新たなビザが門戸を開く

オンライン宿泊予約の増加は、EUが2025年5月にビザ免除プログラム「European Travel Information and Authorization System(ETIAS)」を開始する準備を進めている矢先のことである。

ETIASは、60カ国以上からの旅行者がシェンゲンビザなしでEUに最長90日間入国できるようにすることで、観光を促進することを目的としている。

EUのバケーションをオンラインで簡単に予約できることを知る旅行者が増えるにつれ、ETIASが実施されれば、さらに需要に拍車がかかるはずだ。

ビザなし渡航と簡単で迅速な予約が相まって、予約泊数の大幅な伸びが続く可能性がある。

旅行急増に対応した政策変更

EUはまた、流入する旅行者を管理し、より多くのデジタルノマド、学生、長期滞在を希望する家族を受け入れるために、移民政策を合理化している。

短期旅行が過去最高を記録するなか、加盟国は貴重な移民に国境を開放することで対応している。

経済の回復に伴い、EUは観光から投資移民まで、あらゆる面で魅力的な目的地であり続けている。

EU圏の急成長するプラットフォーム旅行市場は、この需要に貢献すると同時に、その恩恵も受けている。

予約が加速すれば、移民の流れも加速するだろう。

今後の展望

オンライン旅行プラットフォームは欧州の宿泊市場を破壊し、急成長を続けている。

旅行者は明らかに、休暇中の宿泊先を見つけるのに、これらのサイトが提供する手軽さと選択肢を好んでいる。

ホリデーシーズンの繁忙期が終わり、この好調な成長率が今後数ヶ月間続くかどうかが注目される。

今のところ、各プラットフォームはバケーションレンタルの予約を大陸全域で独占しようとしており、その勢いが衰える気配はない。