EU統計局ユーロスタットの最新報告によると、欧州連合(EU)域内の国内旅行は2022年12月にピークを迎えた。
通常、国内旅行は年間を通じて海外旅行よりも高いが、12月はこの2つのカテゴリー間の差がさらに大きくなった。
ルーマニア、ブルガリア、マルタでは12月の旅行者数が最も増加
ルーマニアが17.1%でトップ。
Eurostatによると、これらの国の住民は友人や親戚を訪ねるために旅行した可能性が高く、12月の国内旅行の半分以上を占めた。
一方、ギリシャ、リトアニア、スウェーデンは5.2%、6%、6.4%と、12月の旅行増加率は低かった。
国内旅行は海外旅行の4倍
2022年を通して、EU居住者の国内旅行は海外旅行の約3倍であった。
しかし、冬休みとクリスマス・シーズンにはさらに大きな開きが生じ、12月には国内旅行が海外旅行の約4倍となった。
国内旅行が7,300万回、海外旅行が1,900万回と、2022年12月はEU加盟国への旅行よりも、むしろ加盟国内での旅行がかなり急増した。
年末年始の休暇が国内旅行件数を押し上げる
Eurostatは、12月の国内旅行の増加について、冬休みとクリスマスシーズンを自国内の親しい人を訪ねて過ごすという長年の伝統によるものだとしている。
レジャー目的の旅行も確かにあるが、統計によれば、12月の国内旅行の半数以上が友人や家族を訪ねるという特別な目的であった。
2022年の他の月は、友人や親戚を訪ねるための国内旅行は3分の1程度に過ぎなかった。
12月の総旅行回数は9,200万回に達する
Eurostatによると、EU居住者の2022年12月の旅行回数は約9,200万回で、年間総旅行回数の8.6%を占める。
7,300万回の国内旅行がこの数字の大部分を占めており、2022年12月は1年間の国内旅行のかなりの9%がこの1ヶ月に集中したことになる。
連休前後に旅行が急増するため、観光業界関係者は地元の連休旅行者の猛攻に備えなければならない。
祝日の旅行がETIAS申請に影響する可能性
2025年5月に予定されている欧州渡航情報認証システム(ETIAS)の立ち上げに伴い、連休中の旅行者が増えることで、ETIASの申請や手続きに遅れが生じる可能性がある。
EU大使館では、年末年始のピーク時にビザやETIASの申請が殺到するため、申請者は前もって計画を立て、渡航予定日より余裕を持ってETIAS申請書を提出する必要がある。
ETIASの申請状況を定期的に確認し、承認までに余裕を持つことが、ETIASプログラムによるEUへのビザなし入国を希望する旅行者にとって重要な鍵となる。
休暇を利用した旅行の増加が移民政策に影響する可能性
EU域内の年間休暇旅行のピークは、政策立案者に有益な移民データを提供する。
どのEU加盟国が最も休暇旅行が多いのか、国内旅行と海外旅行の割合はどのくらいなのか、国境通過にどのような影響があるのかといった統計は、すべて今後の移民政策に影響を与える可能性があります。
EU諸国がETIASビザ免除プログラムの最終準備を進める際には、国民の休暇旅行のパターンとニーズを考慮しなければならない。
EU委員会は、レジャー旅行が最盛期を迎える12月に、ETIASプログラムが大規模なトラフィックの急増に対応できるかどうかを観察する必要がある。
旅行業界は12月の旅行ピークに備えるべき
特にルーマニア、ブルガリア、マルタなどの国々では、12月はEU全域で国内観光のピークとなる。
ホリデーシーズンに友人や家族が集まるため、EU加盟国内への旅行が急増する。
観光業界関係者は、毎年恒例の休暇旅行ブームに備えるのが賢明だろう。