EU、2023年に過去最高の滞在許可証を発行

EU、2023年に過去最高の滞在許可証を発行

2023年、欧州連合(EU)は非EU市民に対し、2022年比4.7%増となる370万人以上の滞在許可を発行した。これは、EUが世界的な移民への関与を強めていることを示している。

雇用が許可証発行の大半を占める

Eurostatの報告書によると、EUで初めて滞在許可を取得した主な理由は雇用であり、全体の33.8%、130万件を占めた。

これは2022年よりも若干少ないものの、EUの雇用機会の魅力を浮き彫りにしている。

ウクライナとベラルーシの人々にとって雇用は特に重要であり、ウクライナ人の71.7%、ベラルーシ人の52.3%が就労許可を取得している。

家族と保護が増加の原動力

家族的な理由も滞在許可取得の大きな原動力となり、全体の26.4%を占め、昨年より6.4%増加した。

国際的な保護理由も25.6%で、2023年には5.3%増加しており、紛争から逃れてきた人々に避難場所を提供するというEUの役割が継続していることを示している。

シリア人とアフガニスタン人が最も多くの保護許可を得ている。

A family of three, holding hands, walks through a misty, sunlit forest meadow with tall trees in the background

(画像提供:HoangDongPhoto via Pixabay)

教育許可証が急増

2023年に滞在許可を取得した理由で最も急増したのは教育で、全体の14.3%を占め、13.5%増加した。これは、EU圏外の学生の留学先としてのEUの魅力を示している。

特に多くの中国人が教育のためにEUを訪れており、滞在許可証の37.8%がこの目的で発行された。

教育許可証の増加は、EUが学術交流と人材育成の促進に力を入れていることを浮き彫りにしている。

移民の状況の変化

短期滞在者にとっても長期滞在者にとっても、移住の状況は変化している。EUで就労や教育の機会を求めている人々は、より容易にアクセスできるようになるかもしれない。

一方、旅行者は、2025年の欧州渡航情報・認証システム(ETIAS)の開始を期待する必要がある。このシステムは、EUに短期滞在する非EU市民にとって必須となり、国境への入国がよりスムーズで安全になる。

しかし、雇用許可証が若干減少するため、各国が労働力ニーズに合わせて移民政策を調整する中で、求職者はより多くの競争に直面するかもしれない。

Two people with raised arms stand on a cliff, overlooking a scenic landscape with rocky hills and water

(画像提供:Rawpixels via Pixabay)

国境管理の強化

滞在許可証の増加はEU諸国の移民政策に影響を与えている。

家族や保護を理由とする滞在許可証の増加は、加盟国全体で人道的支援を強化する必要性を浮き彫りにしている。

ドイツやスペインのように多くの許可証を発行している国は、移民の増加に対応するために政策を更新する可能性がある。

ETIASはまた、シェンゲン圏の国境管理を強化し、合法的な移民を受け入れつつ移民管理を改善する。

EUにおける移民のマイルストーン

2023年に発行された滞在許可証の数が過去最高を記録したことは、EUが就労、家族の再統合、教育のための最重要目的地としての役割を拡大していることを示している。

ETIASが開始され、移民のパターンが変化する中、EUは開かれた国境と安全な移民政策のバランスをとる必要がある。こうした変化は、観光客や移民が成長し、EUの多様なコミュニティに溶け込む機会をもたらす。