2024年1月、スペインへの海外旅行が本格化

2024年1月、スペインへの海外旅行が本格化

スペイン政府観光局(Turespaña)が発表した新しいデータによると、スペインは2024年1月、前年同月比12.7%増となる約600万人の外国人航空旅行者を迎えた。

この伸びは、ヨーロッパをはじめとする海外からの旅行者の増加によってもたらされた。

イギリス人旅行者が牽引

スペイン観光局(Turespaña)によると、1月にスペインを訪れた外国人旅行者のトップはイギリスであった。

11.1%増の110万人以上の英国人がスペインを訪れた。カナリア諸島は、イギリス人旅行者の42.7%を占めた。

さらに、イギリス人観光客は圧倒的に格安航空会社を選び、スペイン行きの航空券の4分の1を占めた。

ドイツとイタリアは2桁の伸び

第2位はドイツで、1月に約68万8000人がスペインを訪れた。これは昨年1月と比較して11%の急上昇である。

イギリス人観光客とは異なり、ドイツ人は格安航空会社と伝統的な航空会社をほぼ均等に利用した。

イタリアは、スペインへの旅行者数が前年比18.2%増の632,500人を超えた。特にカタルーニャ地方とマドリッド地方の観光客が増加した。

イタリア人旅行者の約5人に4人が格安航空会社を利用した。

小規模市場の拡大

トップ3以外にも、小規模な旅行者市場がその勢力を拡大した。

フランスからスペインへの旅行者数は1.6%増の431,000人を超えた。オランダは11.7%増の28万2,000人であった。

オランダの旅行者は、イギリスを真似て低料金のオプションを大いに利用した。それでも、カタルーニャとバレンシアの2大自治州は、合わせてオランダ人旅行者の42%を受け入れた。

アンダルシアとバレンシアが最大の増加率

スペインの自治州を見ると、アンダルシアとバレンシアが1月に最も訪問者数を伸ばした。

それぞれ18%以上の伸びを示し、スペインの幅広い観光復興を反映している。

空港レベルでは、マドリッド、バルセロナ、カナリア諸島が優勢を維持。

しかし、マラガ空港やアリカンテ空港のような第二のゲートウェイは、それぞれ20%以上の伸びを示した。

ETIASがEUの旅行者をサポート

2025年の欧州渡航情報・認証システム(ETIAS)の開始は、スペインを訪れる欧州連合(EU)加盟国以外の旅行者にとって絶好のタイミングである。

このビザ免除プログラムにより、EU加盟国の旅行者は、スペインをはじめとする29カ国への旅行を計画する際、煩雑な事務手続きを避けることができる。

ETIASを利用すれば、EUの旅行者は離陸前にオンラインで申請するだけで、事前審査を受けることができる。これにより、ヨーロッパ全域からの観光客や移民の流れがさらに活性化するはずだ。

スペインの魅力は駐在員やデジタルノマドにも広がる

観光客だけでなく、スペインは長期移住者をも惹きつけている。

日照に恵まれた気候、物価の安さ、デジタル・インフラが、海外でより質の高い生活を求めるモバイル・プロフェッショナルや家族連れを手招きしているのだ。

観光客が増えるにつれ、海外生活やデジタル・ノマド・ビザへの関心も高まっている。

スペインはヨーロッパで最も所得税が低い国である。ゴールデン・ビザ・プログラムは、スペインの不動産に50万ユーロ以上を投資するEU圏外の投資家に居住権を与えるものだ。

観光業が回復すれば、スペインを新天地とする新規居住者やデジタル・ノマドも並行して増加することが予想される。

スペイン観光の明るい見通し

数年にわたる低迷を乗り越え、スペインの旅行セクターは魅力を取り戻している。拡大するフライトネットワーク、特に低予算志向の若い観光客が好む格安路線が成長の動脈となっている。

英国をはじめとする従来の市場では、スペイン旅行に対する疲れは見られない。しかし、あまり知られていない送り出し国も、スペインの太陽、砂、食べ物、楽しみの無限の選択肢を発見するにつれて、その存在感を示している。

観光客数はすでに増加の一途をたどっており、2024年は観光産業におけるスペインの復活にとって記録的な年となりそうだ。