2016年、欧州委員会は、EU加盟国に入国する渡航者を事前に審査することでセキュリティを改善するという解決策を提案していました。これは、一連のテロの脅威や攻撃で一部のEU市民の生活が損なわれたことに対応するものです。提案されたETIAS、または欧州のビザ免除は、欧州連合がさらに安全を確保し、監視を行い、新しい収入源を得るための主要なメカニズムとなっています。EU加盟国であるイタリアでも、入国する渡航者の審査の一環としてETIASが導入される予定です。
イタリアへの入国にあたり、ETIASの導入で何が変わりますか？
現在、米国やカナダなど多数の非EU諸国の市民は、シェンゲン協定加盟国に入国するためにビザを取得する必要はありません。ETIASは、EUが「第三国」と呼ぶ国々の市民のために設計されています。ETIAS導入以前、EU加盟国は、第三国からの渡航者が国境に到着するまでそれを把握できませんでした。ETIASの導入により、第三国からの訪問者は、EU諸国の国境に到着する前に、訪問に関する情報をオンラインで登録する必要があります。
欧州委員会は、これにより、国境警備隊は国境でより自信をもって第三国からの渡航者に対応することができると述べました。また、犯罪やテロと戦う責任を与えられた法執行機関を支援することも、導入の二次的な理由となるでしょう。欧州を訪問しようとするたびに、オンラインでETIASを申請しなければならない可能性があります。ETIASの費用は7ユーロです。各ETIASは、3年間またはパスポートの有効期限のいずれか早い方まで有効です。
他にどのような国が同様のチェックシステムを導入していますか？
最もよく知られているのは米国のESTAです。電子渡航認証システムには21ドルの手数料がかかり、非常に詳細な申請を完了する必要があります。認証を無事取得した場合、ESTAは2年間有効となります。提案されたETIASに似ていますが、訪問者は国境で指紋を採取され、写真を撮影されます。ESTAは9月11日の攻撃を受けて開始されました。
ETIASビザ免除とESTAの違いの1つは、欧州で新たに導入されるETIASは、ESTAよりも多くの国や人々に影響を与える可能性が高いことです。また、以前は存在しなかった、渡航者に関する情報が満載のデータベースが構築されます。
トルコとカナダも、同様のオンライン電子ビザまたは電子渡航認証制度を導入しました。
ETIASによって、どのようにEUの収益が改善されるのでしょうか？
ETIASが実現すれば、米国がESTAで徴収しているものと同様の収益を得ることができ、EU諸国は有利な財政的利益を得られる可能性があります。推計では数十億ドルの利益が見込まれ、長期的にEUの予算を大いに後押しすることになります。欧州の国境の治安を強化する必要性とは別に、欧州への渡航希望者から収入を得ることによる財政的誘因も期待できます。
EUは歳入拡大の努力によって恩恵を受けるかもしれませんが、イタリアやその他人気の休暇先は、この締め付けによって観光客を失ってしまうでしょうか？多くの人々は安全で旅行しやすい渡航先を選択しますが、ビザ免除の可能性により、これらの目的地を定期的に訪れる観光客や、これから訪れたい観光客は、単により煩雑な手続きの少ない目的地を選ぶようになるかもしれません。etias.etias.year_launch年に制度が導入されると、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国などの国の市民は、ETIASが必要となります。
こうした変更の結果がどうであれ、EU市民は、訪問者が自国に入る前に審査されていることを知って、より安心できるようになる可能性があります。しかし、欧州の別荘に投資している人は、何らかの理由でETIASが付与されず、投資した別荘で夏休みを過ごせなくなるのではと心配になるかもしれません。また、定期的に訪問する親戚がいて、訪問の計画を立てる必要がなく、飛行機に飛び乗ればよいという人もいるかもしれません。
イタリアを訪問すべき理由は何ですか？
ETIASの申請という追加の作業は発生するものの、イタリアへの訪問者は何世紀にもわたって発展してきた豊かな経験を期待することができます。
イタリアの歴史は長く複雑で、2000年以上に及びます。イタリアは中世以来欧州の主要大国であり、ルネッサンス以来、世界情勢を主導する国でした。
イタリアでは、史跡を訪れたり、食べ物やワインを楽しんだり、田園地帯を探索したりと、さまざまな体験ができます。人気の観光スポットには、コロッセオや、ピサの斜塔、ヴェネツィアの運河などがあります。また、イタリアにはたくさんの美しいビーチや、古代遺跡、美術館があります。イタリアを訪れるのに最適な時期は、天候が穏やかで観光客が少ない晩春または初秋です。