ブルガリアの観光は2024年、魅力的な変化を遂げた。
国内旅行者が減る一方で、外国人旅行者が増えているのだ。これらの外国人観光客は豪華な滞在を選ぶようになり、ホテルの利益が大幅に増加している。
ブルガリア人観光客の減少
最近のデータでは、ブルガリアの人気ビーチスポットを訪れるブルガリア人観光客の減少が目立っている。
2024年7月、黒海沿岸のリゾートを訪れたブルガリア人は、2023年の同時期と比べて7,500人減少した。また、滞在日数も短く、1回の平均宿泊日数は2.7泊と、前年の3.2泊から減少した。
このような地元観光客の減少は、外国人観光客の増加に比べて際立っている。
人気が高まる外国人観光客
一方、外国人観光客は活況を呈しており、2024年7月には前年比3.6%増の794,000人がブルガリアを訪れた。
そのほとんどが4つ星、5つ星ホテルに宿泊しており、高級志向の高さが伺える。一方、高級ホテルを選んだブルガリア人観光客は4割に満たない。
外国人観光客は、高級ホテルの稼働率が約73%に達するなど、ホテルの収益向上に大きな役割を果たしている。
全体として、2024年7月のホテル売上は5億レヴァを超え、前年比15%増となった。
(画像提供:videlin via Pixabay)
ブルガリアの観光ブーム、観光客と移民が要因
外国人観光客の増加は、ブルガリアの観光業にとってプラスである。
短期滞在者にとっては、ブルガリアの高級志向は特に魅力的である。
しかし、裕福な観光客へのシフトにより、長期滞在者や移住者にとっては手頃な宿泊先を見つけることが難しくなるかもしれない。
欧州旅行情報認可システム(ETIAS)が間もなく開始されるため、外国人観光客はさらに増える可能性がある。ETIASが導入されれば、EU加盟国以外の旅行者もブルガリアを訪れやすくなり、ブルガリアのホスピタリティ産業が活性化する可能性がある。
観光産業の成長と移民制度改革の両立
外国人観光客の誘致に注力することで、今後の政策が形成される可能性が高い。ブルガリアの入国管理規則が変更され、EU圏外からの観光客や長期滞在者が入国しやすくなるかもしれない。
同時に、ブルガリア国内への旅行者が減少し続ければ、政府は国内観光を促進するためのインセンティブを提供することを再考するかもしれない。
EU諸国もまた、特にETIASが間もなく新しい入国規則を導入することから、観光を支援するために入国管理政策を調整する必要性に気づき始めている。
今後の展望
外国人観光客の増加は、ブルガリアの観光産業にエキサイティングな機会を提供するが、同時に対処すべき課題も提示する。
政府が外国人観光客の誘致と地元観光の支援をどのように両立させるかは、今後数年間のブルガリアの観光状況を形成する上で極めて重要である。